冬バスをトップで狙う。
先日記事にしたためた。あーあ、書いちゃったよ…
【冬バスをトップで釣りたいの】
本気なのか?と聞かれれば、「もちろん本気さ」と明るく応えるつもり。
ただ、思うのである。
自分はバスプロじゃないってこと。
当たり前だろ
どんな状況でも釣らなければならないのがプロだとしたら、自分には到底無理だ。
釣る前から「冬バスをトップで狙います」宣言しちゃったら、釣っても釣れなくても記事にしなくちゃならない。釣れた時ばかりだと不自然だから。
結果的に釣れない記事だらけになったらどうしよう、って不安はある。次こそは、とドキドキしながら綴るのも、それはそれで決して悪くはない。
...
始めてしまった「冬バスをトップで狙うぜ」シリーズ。
一体、どうなっちゃうのコレ。
毎回毎度、同じような記事にならないことを願うしかない。
*
AM10時過ぎに現着。この機場付近の右岸側は比較的浅く、トップにうってつけと思ったのだけれど....
なんと氷が張っているではないか...
まあいい。
氷がない所にキャストするのみ。むしろ全面結氷でないことに感謝しよう。
そして冬トップ1発目は...
「ホッドラー」である。
このルアーをご存じの方は少ないのではないだろうか?
正直ポンコツも名前を忘れていて、思い出すのに時を要した。
アメリカ・ギルモア社のペラ付きダーターで、特徴のある目とやたらと振り掛けてあるラメが素敵。いかにもアメリカンなこんなルアーで釣れたら、きっと飛び上がってしまうに違いない。
しかし、ホッドラーは越冬中の水鳥をただ驚かすだけで精一杯だった。
権現堂川からの吐出し。
減水し、ほぼ閉塞した水域となっている。中川の有名ポイントだから叩かれているだろうけれど、バスをストックしている可能性が高く見逃せなかった。
氷上にルアーを転がす。まるで真夏のリリーパッドのように、バスが氷を割って飛び出して来やしないかと胸が高鳴った。
しかし、そんな奇特な魚はここにはいなかった。
機場の左岸側。
コンクリートとオイルフェンスで囲まれた水域は凪っていて、意のままに動くルアーについ見入ってしまう。
この日は小春日和だったけれど、やっぱり日陰は冬だった。
階段護岸。
ここの階段護岸は権現堂の中でもとりわけ長く、湾曲部も挟んでいる。端から端まで引き倒すつもりで移動してきたけれど、すでに先行者が数名。
さすがにトップではないみたい。
ここでルアーチェンジ。
「ビッグヤーンフィー」である。
国産トップウォーターブランドである、クワイエットファンクのダーター。
コイツの特徴は、ラインアイがまるでゼンマイの巻ネジのような形をしていて、結ぶ箇所によって動きが変わるという点。
上の穴だとダイブしやすくなりダーター臭が強く、下の穴だとチャガー音と呼ばれるバスの捕食音が出やすい。
自分としては下穴のほうが、首振り、チャガー音、ポップ音、ダイブと多彩に操れて好み。一つで色々できる、贅沢で芸達者なルアーなのである。
今まで好んでは使わなかったけれど、良さを再認識した。とにかく楽しいルアーなのだ。
権現堂の名物、スカイウォーター120が噴き上がった。
その高さは実に120フィート(約36.6m)
噴水は土日の決まった時刻に噴き上がる。そうか、もう12時半になるのか…
昼休憩を挟んで、キューピーエリア工場前を狙おうとしたけれど、先行者が思いのほか多い。
ならばとその下流側、公園前エリアを臨む。
真冬にしては暖かな昼下がり、橋上から眼下を見下ろす。上流側のそれとは対照的にこちら側にはアングラーは見当たらなかった。
この権現堂の見渡す限りの護岸沿いのどこかに、きっとバスは潜んでいる。水没した草むらの陰にデカいヤツが佇んでいる。そう信じて投げ続けるだけだ。
脇に構えたロッドをぎゅっと握り直すと、再び歩を進めた。
本日のタックル。
竿はパームスのグラスロッド、エッジ。
鎮座するのは、リョービが世に送り出した丸形リールの名品、バリウス。
そしてルアーは、バルサ50のポップスインガーセラフ。黒のロッドにピンクが映える。
階段護岸。
この脇では猫が昼寝中だった。権現堂では猫をよく見かけるが、どの猫も一貫してすぐ逃げる点では共通している。猫の悦ぶ撫で方はわきまえているつもりなのだが。
でもいい。今はバスが振り向いてくれればそれでいい。
ルアーを変える。
「ウッド・ラッキー13」である。
前記事でも紹介しているので説明は割愛するけれど、ようやく真打の登場だ。
漂着した浮島のポイント。
ダブルフックに交換したラッキー13なら、こんな所だろうと造作もない。
ワンド状になったここは、水の動きが少なくバスが越冬していそうだ。
もうじき日が沈む。
今日という日の終わりとともに、この釣りもこのまま終わってしまうのだろうか。
権現堂は静かに見守っているかのようだった。
舟渡橋。
恐らく最後のポイントになるだろう。
橋に近づくにつれ、あちこちに波紋が見られた。
「ワカサギ」のモジリである。
もしかしたら、ワカサギを狙ってバスが浅場に出てきているかもしれない。
最後にルアーを変えた。
「ラディッシュ」である。
こいつの奏でる音が、ワカサギを狙うバスの注意を惹くことを願って。
ワカサギ釣り師が帰り支度を始めるのを見計らって、波紋の広がる水面目掛けて投げ入れた。
「ポチョンッ・・・」
甘く心地の良い音色は橋に反響して、いつまでも鳴り響くのだった。
気がつくと月が昇っていた。冬バスの夜釣りの時も、こんなふうに月が照らしていたっけ。
日が落ちると昼間の暖かさが嘘のようだ。
ジャンパーのチャックを目いっぱい引き上げる。後ろ髪を引かれる思いを払うように、足早に帰路を急ぐのだった。
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