川に行く全ての釣り人必見!川の水位を事前に調べて有利に釣りをしよう【川の防災情報】
「そこに魚がいるかどうか、じゃない。そこに水があるかどうか、だ」
待ちに待った週末。
世の釣り人達は、明日のエキサイティングな釣果を妄想して興奮し、ワクドキしながら床につくことでしょう。夜通しで車を走らせ釣場で仮眠、なんて方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、懸命に計画を立て準備し、普段からは信じられないくらい早起きして釣場に着いたにもかかわらず、目前に広がる光景に愕然とした経験はありませんか?
そうです。増水です。
前回入れ食いだったポイントは水没。足場さえなく釣りにならない... なんてことも。
逆に減水の場合。
先週大釣りした場所にウハウハしながら向かったら、ポイントが露出していた、とか。
ショックですよね。
こうならないように下調べが大事なんです。
事前に河川の水位情報を調べておけば、○○川は増水しているから△△沼に変更しよう、など計画の見直しができるわけです。
「は? 何を言ってるんだ!?」
「明日は晴れだぞ? 雨でもないのに増水するわけないだろ!」
そう思うかもしれません。
しかし川の上流部で雨が降ると、晴れているのに時間差で下流部が増水することがあります。
そう、出かける前から釣りは既に始まっているんです。
釣りだけではありません。
台風はもちろん、ゲリラ豪雨、線状降水帯など、よく耳にする昨今、大雨時に河川の状況を一早く知ることは自分と家族を守るうえでとても大事なことです。
これから説明することは、「家族と財産を守る」ことにも繋がるのでしっかり覚えていってください。
- 川の水位は天候、その他の要因で目まぐるしく変化する
- 晴れていても増水することがある
- 川の増減水による、釣り場選択の判断材料にできる
- 普段から川の水位を意識して災害に備える
- 河川の今の水位を知る方法
- 河川の水位の時間変化
- ライブカメラで現地の状況を見る
- 初めての川でも水位が高いのか低いのか分かる
- 行った事のある川の水位から今の状況を知る
- 水位の時間変化や上流の傾向から翌日の水位を予想する
- 水位が一番低くなるのは冬ではなかった?
- 河川の状況を知る方法。「川の防災情報」とは?
- 川の防災情報から知りたい河川の状況を確認するには?
- 水位情報から得られた水位から何が分かるのか?
- 現在の水位から釣行日の水位変動を予測する
- まとめ/魚がいるかどうかの前に、水があるかどうかの確認を!
当記事は、出典元の国土交通省「川の防災情報」HPにおける「取り扱い上の注意 」に基づき、作成・公開しております。また、出典元の画像等コンテンツを閲覧者に分かり易くする目的で、説明書き等の加工をしています。
河川の状況を知る方法。「川の防災情報」とは?
国土交通省が提供する、各地の観測所における降雨等の状況、河川の水位情報および危険性、洪水予報(警報)など、河川等に関する情報が得られるサイト。また、ライブカメラが設置された観測所では、リアルタイムで現地の映像を見ることも可能。
出典:国土交通省 川の防災情報ホームページ
川の防災情報から知りたい河川の状況を確認するには?
知りたい情報にたどり着くために、以下の通り進めていくと分かりやすいです。
河川の水位情報を「地図から探す」
まずは「地図から探す」をクリック。
↓下の画面で、マウスポインタを探したい地域に合わせ、マウスホイールで地図を拡大していきます。
地図左側の+ーボタンのクリックでも同様に拡大縮小が行えます。(拡大は、予め目的地付近を画面中央に寄せてから行ってください)
画面左上の🔍マークから、知りたい市町村名を入力してもOK。
地図を拡大していくと、各河川等にアイコンが表示されてきます。
地図上のアイコンの凡例について
「凡例」について、特に釣りに役立つものを紹介します。
①水位観測所
川の水位情報を得られます。観測所によっては堤防高と水位との関係が分かる河川横断図(断面図)を見ることができます。
②ダム諸量
ダム・調節池等の水位(貯水位)、貯水量、放水状況などを知ることができます。
③河川カメラ
いわゆるライブカメラです。現地の映像をリアルタイムで見ることができます。今現在と、平常時を確認できます。
それでは、調べたい観測所のアイコンを左クリックして、実際に水位情報を見てみましょう。(ここでは、一級河川江戸川・西関宿水位観測所で説明します)
さらに「水位観測」のアイコンをクリック。
※単独のアイコンをクリックした場合はこの画面は表示されません。
地図が拡大され、画面右側に水位情報が表示されます。
以下、見方について説明していきます。
河川横断図とは?
※見づらいので、河川横断図を大きくして説明しますね。
河川横断図とは、川の断面を表したものです。
両脇に山のように盛り上がっている部分が「河川の堤防」です。
そして水色に溜まっている部分、これが現在の水位で「0.25m」ということが分かります。
と言っても、川の深さが0.25mという意味ではありません。
設置してある水位標のゼロ位置から0.25m高い水位、という意味になります。
断面図中の黄色やオレンジ、紫の線は、河川の予警報に係るもので、河川の氾濫の危険性を推し量る指標になります。避難するための判断材料になるものです。
(注)これらの線より水位が上昇している場合、危険ですので、川には絶対に近よらないようにするとともに情報収集に努めてください!
ちょっと分かりにくいですが、気にしなくても大丈夫。
必要なのは現在の水位がどういった水位なのか、という点だけだからです。
この「0.25m」といった水位がどれほどなのか?を説明する前に、他の画面もまずは見てみましょう。
水位グラフについて
水位がどう変化してきたか分かります。
10分毎だと水位の時間変化が分かりにくいので、設定を変えます。
「時間毎」をクリックしてください。
1時間毎のグラフになり、水位変動が分かりやすくなりました。
このグラフから、水位が下降傾向だと言えます。雨が降らなければ、明日には更に下がるだろう、と予想ができそうですね。
河川カメラ(ライブカメラ)について
この観測所では「河川カメラ」いわゆるライブカメラが併設されています。
(カメラのない観測所もあります)
リアルタイムで現在の状況が見られます。
平常時の様子との切り替えで、見比べることができます。
詳細情報について
これまで説明した情報の一覧です。
また、時間毎に切り替えれば、48時間前からの経過水位と雨量データの一覧が確認できます。
水位情報から得られた水位から何が分かるのか?
「今の水位は分かったけど、この水位って高いの?低いの?」
そうなんです。確かに水位が分かっただけじゃイマイチピンとこないですよね。
そこで、どんな水位なのかを知るために、次の2パターンで説明します。
- 行った事のある川の場合
- 初めて行く川の場合
①行ったことがある川の場合
例えば、仮に令和3年6月3日午前7時、この観測所付近へ釣行したとしましょう。
その時の川の様子、どの位まで水があったか胸に手を当てて思い出してください。
その時の水位をデータベースから拾い出して、いくつであったかを調べます。
そして現在の水位と比較するんです。
過去の水位データの調べ方
画面右側、「観測所名称」の部分をクリックします。
すると観測所の情報が表示されます。
水文水質関連情報の中の「観測所情報」をクリック。
詳細情報が表示されますので、左下の青い「水位月表検索」をクリック。
調べたい日の西暦と月を枠内に入力して、「検索開始」をクリック。
ここでは、2021年6月3日の水位を知りたいので、「2021」「06」と入力。
ちなみに、これ見ると1930年からデータが登録されていますね。
2021年6月の水位データ一覧が表示されました。
これを見ると、
①「2021年6月3日」の
②「7時」の時の水位は
③「-1.44m」と分かります。
以前の水位と現在の水位を比較
今現在の水位が「0.25m」だとすれば、-1.44mとは水位標のゼロ位置より1.44m低く、0.25mはゼロ位置より0.25m高いわけですから、その差は次のようになります。
1.44 + 0.25 = 1.69m
つまり、前回の水位より現在は1.69mも増水していることになります。
結構増水していますね。
おそらく前回行った時のポイントや足場は水没しているでしょう。
※水位標(量水標)について詳しくは 量水標 - Wikipedia
②初めて行く川の場合
初めて行く川の場合、今現在の川の水位が分かったところで、それが増水したあとなのか減水したあとなのか想像しにくいですね。
こんな場合は、その川の1年間の水位変動や、最高水位、最低水位を知ることで理解することができます。
年間水位変動の調べ方
①と同じように、観測所情報から以下の画面を表示させます。
観測所の詳細情報が表示されたら、左下の青い「水位年表検索」をクリック。
「日水位年表検索」画面が表示されます。
3年くらい前※ の西暦を枠内に入力して「検索開始」をクリック。
ここでは「2018」と入力してみます。(画像は2019と入っちゃってますが)
※古過ぎると今の水位との関連性が低く、逆に3年未満だとデータが登録されてなかったりするので、3年前くらいがおススメ。
すると、こんな表が出ます。
選択した年の365日のすべての水位がこの表に掲載されています。(欠測の場合も)
これを見れば水位が最も高かった日とその水位、また、水位が最も低かった日とその水位が分かります。
...ただ、ここから数値を抜き出すのは、結構大変ですよね?
そこで! グラフの絵みたいなアイコンをクリック。
すると、表がグラフ化されます。
このグラフから次のことが分かります。
- 最低水位は「6月中旬」に「-2.0mより少し高い」位置にある
- 最高水位は「10月初め」に「2.0mより少し高い」位置にある
(最高水位は「これくらいか」程度で十分なので表まで見なくてもOKです)
これを踏まえて、さっきの表をもう一度見れば見つけやすい、というわけです。
ちなみに、川の水位って冬が一番低いと思ってたんですが、夏季に最低水位が発生しているんですね。夏は水位の変動が激しいです。
さっきの水位表をもう一度見てみましょう。
最低水位は6月中旬、最高水位は10月初め、と見ていくと。
①「6月19日」に最低水位「-1.89m」
②「10月2日」に最高水位「 2.22m」 となっていることが分かります。
年間の最高水位、最低水位と現在の水位を比較
今現在の水位が「0.25m」だとして。
最低水位「-1.89m」とは水位標のゼロ位置より1.89m低く、0.25mはゼロ位置より0.25m高いわけですから、その差は次のようになります。
1.89 + 0.25 = 2.14m
つまり、年間最低水位よりも現在は2.14mも水位が高いことになります。
※水位標(量水標)について詳しくは 量水標 - Wikipedia
また、最高水位「2.22m」とは水位標のゼロ位置より2.22m高く、0.25mはゼロ位置より0.25m高いので、その差は次のようになります。
2.22 - 0.25 = 1.97m
つまり、今現在の水位より1.97mくらいは十分増水する可能性があると言えます。
(実際には、更に高水位になる可能性がありますが、そもそも釣りにならない状況での話になりますので、参考程度に)
それでも初めての川の場合、最低水位との差が分かったとしてもピンとこないですね。
河川ライブカメラは、「現在」の他に「平常時」の画像も見ることができます。映像には年月日と時刻まで表示されてますから、「平常時」の水位データを拾い出して比べてみるのもより良いと思います。
現在の水位から釣行日の水位変動を予測する
実際の釣行は後日になるわけですから、「現在」の水位から、変動を予測することになります。
「現在」までの水位の時間変化やグラフ等を見て、「1時間当たり水位が何cmずつ増減しているか?」を調べれば、「○○時間後には△△m低下しそうだな」と予想ができます。
また、目的地付近の観測所だけでなく、さらに上流部の観測所の水位の変動をチェックすると予想が立てやすくなります。河川の水位変動は上流部から下流に移っていくからです。
ただし、予想にはいくつか注意点があります。
- 現地に降雨があれば、当然ながら水位が上昇する(データの見直しが必要)
- 現地に降雨がなくても、上流部で雨が降ると時間差で水位が上昇する。
実際、台風が通過したあと、晴れているにも拘わらず川の水位が上昇して氾濫した、なんてニュースもあるくらいですので、覚えておくと良いでしょう。
また、上流部とは支川の上流部も含みますから注意してください。
まとめ/魚がいるかどうかの前に、水があるかどうかの確認を!
どこのポイントで、どう釣るか? も大事ですが、それ以前に大切なことがあるってこと、分かっていただけましたでしょうか??
釣行前にしっかり調査をして、釣り場の状況を把握すればきっと大漁間違いなしです!
それ以前に、自然のフィールドである河川には思いがけず危険が潜んでいます。釣りを安全に楽しむためにも、しっかりと下調べしておきましょう。
そこに魚がいるかどうかよりも、まずそこに水があるかどうか、が大事なんですね。
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