【スポット】権現堂川(行幸湖、権現堂調節池)埼玉県と茨城県に跨る釣り場。バス、ヘラ、ワカサギを釣るのもよし、近隣の権現堂桜堤も見事。
公開日:2021-08-03
更新日:2022-04-08
ポンコツOJが学生の頃から憧れ、かつてはバスの一大フィールドでもあった我らがホームグランド「権現堂川」について、熱烈紹介したい。
- 権現堂川(行幸湖)とは?
- 権現堂調節池の諸元
- 権現堂川の今むかし
- 権現堂川(行幸湖)に生息する魚
- 権現堂川(行幸湖)のバス釣り
- 権現堂川(行幸湖)のワカサギ釣り
- 権現堂川のその他のレジャーは?
- 権現堂川の駐車場・トイレ・コンビニ・自販機など
- 権現堂川(行幸湖)近隣の観光スポット
- 権現堂調節池(行幸湖)のダムカード
- まとめ
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権現堂川(行幸湖)とは?
埼玉県幸手市と茨城県猿島郡五霞町の県境に沿うように位置し、利根川-中川間に約5kmの延長を有す調節池である。
利根川水系一級河川権現堂川として、埼玉県が管理する河川でもあり、中川の洪水調節機能、水道用水等の利水機能等を確保するため、権現堂調節池(行幸湖)として整備され現在に至る。
沿川には川妻工業団地等の工場施設群の他、娯楽施設や県営公園が立地している。また、調節池の西側には国道4号か南北に沿うようにして走っている。
権現堂川周辺は桜並木の遊歩道が整備されており、シーズンになると近隣の権現堂桜堤と併せて桜の一大名所となり、毎年多くの観光客でにぎわう。
権現堂川の呼称について
一般には昔からの「権現堂川」という呼び名で通っていると思われる。しかし調節池として整備されて以来、権現堂調節池もしくは行幸湖の名称も与えられており、このフィールドを呼ぶ際に少なからず戸惑いがあるのではなかろうか。
名称についての認知度を調べるため、googleにて検索し、関連記事の件数がいかほどなのか調べてみる。
その結果は次のとおり。
結果を見れば一目瞭然。
「権現堂川」が「行幸湖」の約4倍であった。件数だけで一概に判断はできないが、「権現堂川」の名称が現在でも広く認知されていると見て差し支えなさそうだ。
調節池と調整池
「権現堂調節池」を「権現堂調整池」と誤って認識しているケースもあるようだ。
調節池と調整池は名称も読みも酷似しており、目的も同じであるために勘違いされやすい。
どちらも、降雨などによる出水により河川の能力を上回るような場合、河川に入る前に一時的に溜めて洪水等を防ぐ目的とされる。
ただ違うのは「調節池」が、国や地方公共団体等が設置し管理するものであり、「調整池」は宅地造成・開発行為等によって増加する雨水流出を調整するために、開発事業者が設置するものであるという点だ。
(開発事業によって設置された調整池は市町村が管理を引き継ぐケースもある)
広大な調節池の様子が見て取れる鳥瞰写真。
手前には行幸給排水機場および各種ゲート、越流堤。奥の方には舟渡橋が見える。
手前に流れるのは中川。また、googleマップ未掲載の整備中である駐車場(2号公園)も確認できる。
これからの権現堂川および周辺の更なる発展に期待したい。
【鳥瞰写真は埼玉県HP、権現堂調節池からのお知らせ - 埼玉県より転載、承諾済*1】
権現堂川に架かる橋
上流側から順に
権現堂調節池の諸元
型式 :多目的平地ダム
延長 :5.18km
湛水面積 :0.57km2
堤体高 :14.50m
サーチャージ水位: A.P. 11.50m
常時満水位 : A.P. 11.32m
洪水期制限水位 : A.P. 4.96m
【埼玉県HP権現堂調節池からのお知らせ「調節池の諸元」より一部抜粋及び転載(※1)】
現地の看板に河床の高さが記載されているのを発見。
これによると河床高はA.P. 3.00mとなっている。なお、満水位がA.P.11.50mと示されているが、これはサーチャージ水位を指しているのだろう。
以上から権現堂川の水位について分かることは。
- 夏季水位は冬季の満水状態よりも約6.4mも低い
- 夏季(洪水期制限水位時)の水深は約2.0m
- 冬季(常時満水位時)の最大水深は約8.3m
ただし、実際には上流側下流側で差があるだろうし、土砂等の堆積によりこれよりも浅くなっている可能性もありうる。あくまでも参考程度に。
権現堂川の水位について
・常時満水位とは?
水の利用を行うために常時貯めている最高水位。平常時満水位。権現堂調節池では冬季の通常の水位がこれにあたる。
・サーチャージ水位とは?
洪水時に一時的に貯めることができる最高の水位。常時満水位より高い。
・洪水期制限水位とは?
洪水期(権現堂調節池では6/15~9/30)に水位を常時満水位より低下させ、洪水を多く貯留するために設定された水位。
※権現堂では中川の洪水対策のため、例年4月下旬頃から水位が低下し始めるようです。
権現堂川の水位は埼玉県が提供する埼玉県水防情報システムより確認できる。
増減水の推移状況を知ることができるため、釣りに必須な情報である。
なお、権現堂調節池の水位は上記サイト中の「行幸給排水内」と「川妻給排水内」を参照のこと。
権現堂川の今むかし
権現堂川が調節池として整備される前、現在の全面護岸となる前の姿はどうなっていたのだろうか?
昭和57年(1982)に工事着手したことから、それ以前の航空写真を国土地理院のサイトからダウンロードし、貼り合わせ加工してみたのが次の写真である。
比較できるように、googleマップを並べてみた。(スマホだと左右には並ばないのでPCで確認されたし)
そう言えば、昔読んでいたルアー専門誌にこんな記事があった。
その雑誌の名は「TACKLE BOX(タックルボックス)」
巻頭カラーで編集部がフィールドに実際に赴き、居合わせたアングラーを掲載するといった内容だった。確かタイトルは「あんたが一番かっこよかった」だったように思う。
雑誌が取材に来るくらいだからかなりメジャーなフィールドだったのだろう。当時、ポンコツは中学生くらいだったから今から35年程前か。権現堂羨ましすぎると思っていた記憶がある。憧れの有名バスポンド、ってやつだ。
35年前ということは、工事中期間だったことになるが、まだ全面護岸がされておらず、ポイントも無数に存在していたであろう。きっと今よりもずっと魚影が濃いフィールドだったに違いない。
航空写真を眺めながら、当時抱いた思いにふけるばかりであった。
権現堂川(行幸湖)に生息する魚
コイ、マブナ、ヘラブナ、レンギョ、オオクチバス、ブルーギル、ライギョ、ナマズ、ニゴイ、オイカワ、ハス、ワカサギ、テナガエビ、ヨシノボリ、モロコ。
他にも、埼玉県HPによると、ウナギ、アユも生息しているようだ。
権現堂川(行幸湖)のバス釣り
権現堂川は年間を通し水位変動があるフィールド。
冬季は満水状態となっており、春から夏にかけて減水し最低水位となる。そして晩秋ころからまた増水していく。
ポイント然とするストラクチャー等が少なく、闇雲にキャストしてもヒット率は低い。狙いは、時期によって水位と各ポイントとの関係を見極めて釣り方を変えていくこと。とくに全面を覆う護岸は、水位によってバスの付き場が変わるのでしっかりと見極めたい。
権現堂川のバス釣りポイントとは?
全面護岸された権現堂川は、非常に釣りがしやすいフィールド。
その一方で、どこがポイントなのか分かりづらいかもしれない。権現堂川のバス釣りポイントについて、以下記事で解説しているので参考にしていただければと思う。
バス釣り釣行記
本気で楽しむバス釣り。行こう、奇行、釣行記。
権現堂川(行幸湖)のワカサギ釣り
例年、11月頃から権現堂川でも岸釣りでワカサギを釣ることができる。特にワカサギを放流している様子もないので、その年によって良否があるようだ。
ワカサギ釣りというと、氷上での穴釣りを連想するかもしれないが、権現堂川でのワカサギ釣りは岸からの「延べ竿」での釣りがメインになる。また誘導式ウキを付けてのリール釣りなら広く探ることができる。(ただし投げ釣りは手返しが悪くなる)
権現堂川のワカサギの釣り方
岸からでも十分釣ることができる。橋の上から釣るのを見かけることもあるが、歩行者等へ危険になることがあるので遠慮してほしい。
竿:4.5m程度の延べ竿。
仕掛け:市販のワカサギ仕掛けにウキを付けたもの。オモリは1~5g程度。ウキのサイズはオモリに合わせる。
エサ:サシ、紅サシ、赤虫など。
ポイント:釣れる場所には人が集まっているので見ればだいたいわかる。主に太平橋、舟渡橋周辺や噴水エリアでの階段護岸など。またモジリが見られるかどうかも選定のヒントになる。
権現堂川の上流は利根川。その利根川の少し上流には渡良瀬川、そして渡良瀬遊水地が湛えている。渡良瀬遊水地内の調節池「谷中湖」でも例年ワカサギ釣りが楽しめる。
権現堂川(行幸湖)のワカサギ釣行記
('21.12.4釣行)
('21.11.27釣行)
権現堂川でのワカサギ釣り用のウキを作ってみた
延べ竿でのワカサギ用のウキが無いようなので自作してみた。
権現堂川のその他のレジャーは?
周囲は遊歩道が整備されている。また、公園、トイレ、駐車場が設置されているため、比較的アクセスしやすく、散歩やジョギング、サイクリングを楽しむ人に人気だ。
ただし、花見や行楽シーズン中、特に公園周辺、駐車場周辺では散歩をしている人が多く、自転車は降車して押し歩くなど、十分注意していただきたい。
遊歩道沿いには桜が植えられ、花見シーズンには桜並木を楽しみながらのウォーキングができる。
また、調節池内に大噴水(スカイウォーター120)が設置されており、土日限定ではあるが迫力ある水のジェットシャワーを見ることができる。
その高さ、なんと120フィート(36.6m)!
大噴水の運転時間
一見の価値あるこの噴水が見られるのは、毎週土曜、日曜日の下記時間帯となっている。(時間中、15分間運転→15分間停止を繰返し)
- 10時00分~11時00分
- 12時00分~13時00分
- 15時00分~16時00分
- 19時00分~20時00分
ただし、気象条件によっては運転停止する場合もあるようだ。
(埼玉県HP、権現堂調節池からのお知らせ - 埼玉県より)
権現堂川の駐車場・トイレ・コンビニ・自販機など
【注意】権現堂公園の駐車場については、コロナの影響により閉鎖されることがあるようです。ご利用の際は事前に県営権現堂公園のサイトをご確認ください。
車上荒らしに注意!
権現堂川の駐車場で車上荒らしが多発しているようだ。悲しすぎる。
釣り人はしばらく車に戻らないと高をくくっているのかもしれない。
対策として次のことに気を付けよう。
- 車内の見えるところに鞄等を置かない
- 釣行時には貴重品は持ってこない
- できるだけ死角にならないところに車を停める
- タックル(特に竿など)を車内に残さない
- 雨天時など、人気が少ない時は特に注意すること
権現堂川(行幸湖)近隣の観光スポット
行幸湖は行楽を楽しめるスポットではあるが、近隣には更に魅力的な場所も。権現堂に来たならば、セットで楽しむべきところを紹介。
幸手権現堂桜堤(県営権現堂公園・4号公園)
桜と菜の花のコントラスト(3月下旬~4月初旬)
埼玉県下でも有名な桜の名所の一つ。約1kmにも渡る堤には1000本以上の桜が並び、堤上の遊歩道を歩きながら桜のトンネルを堪能できる。また、同時期に菜の花も開花することから、桜と菜の花のコントラストが大変美しく、訪れる観光客を魅了する。
色とりどりのあじさい(6月~7月)
桜が散った後も四季折々の花をとの思いから、紫陽花の花が植えられたそうだ。
梅雨の時期、6月~7月にかけて100種16,000株もの紫陽花が権現堂堤を飾る。
向日葵(ひまわり)の迷路(8月)
夏を象徴し、夏の季語でもあるひまわり。権現堂には2020年から植栽されたそう。日輪草とも呼ばれ、その名の通り太陽のような花の迷路を抜けて夏を感じてみては。
曼殊沙華(彼岸花)の絨毯(9月中旬~10月上旬)
秋風の吹き始めるころ、権現堂堤に真っ赤な曼殊沙華が咲き誇る。
その規模は約500万本にも及び、その様子はまるで絨毯。桜から始まり紫陽花、曼殊沙華と四季の移り変わりを感じることができるだろう。
水仙の甘い香りに誘われて(1月上旬~2月上旬)
冬本番の真っただ中でも権現堂堤は楽しませてくれる。
約100万本にも及ぶ白く可憐に咲く水仙。満開になると権現堂堤が甘い香りに包まれる。寒さに負けず、斜面いっぱいに咲きひろがる水仙をぜひ見に来てみてはいかがだろう。
※2022年シーズンもコロナの影響により、残念ながら桜まつりは中止となってしまいました。
外野橋
平成14年完成の歩行者・自転車専用の吊橋。
権現堂桜堤と権現堂川(行幸湖)および3号公園を行き来することができる。
桜まつりの期間中はライトアップされる。
アクセス
電車:東武日光線「南栗橋行」に乗車し「幸手駅」下車、徒歩約2km(約30分)もしくはバス利用
お車:首都圏中央連絡自動車道 幸手ICより約10分
権現堂堤について、詳しくは各webサイトへ
権現堂調節池(行幸湖)のダムカード
「川」といいながらも、実は調節池の機能を持つ堰き止め施設のある水域、それが権現堂川、権現堂調節池。いわゆるダムなのである。
そんな権現堂調節池でも「ダムカード」を無料配布している。
【管理所を訪れてダムカードを入手した】
まとめ
歩いてよし、見てよし、そして釣ってよし。癒しの空間がそこにはある。
一つの広大な公園ともとれる権現堂川(行幸湖)に、是非一度遊びに訪れてみてはいかがでしょうか。
※お出掛けの際はコロナ対策を忘れずに。緊急事態宣言中は、その取り決めに従って行動しましょう。
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*1:R3.7.27埼玉県杉戸県土整備事務所承諾済。ありがとうございます。